2020年1月以降、新型コロナウィルス感染症の影響を受けて、ロードレース(市民マラソン等)や春シーズンのトラック競技会が次々に中止や延期になってしまいました。
その後、日本陸上競技連盟が作成した「陸上競技活動再開についてのガイダンス」に則り、7月、2020年度のトラックレース「開幕戦」とも言える、ホクレン・ディスタンスチャレンジ4大会が開催されました(北見大会は中止、士別、深川大会は無観客)。
ホクレン・ディスタンスチャレンジ2020
第1戦 7.4(土) 士別大会(士別市陸上競技場)
男子
★1500m
①ケモイ選手(小森コーポレーション)3’38″33
②ソゲット選手(Honda)3’39″23
③的野選手(MHPS)3’44″26
★3000m
①キプランガット選手(JFEスチール)7’49″03
②遠藤選手(住友電工)7’49″90
③竹内選手(トーエネック)7’53″09
遠藤選手が7分50秒切りの好記録をマーク。その後の7.18千歳大会5000mでPB更新。
★5000m
①タイタス選手(埼玉医科大G)13’25″74
②マイナ選手(興国高2)13’26″86
③カンディエ選手(MHPS)13’27″37
:
⑦倉田選手(GMOインターネットグループ)13’43″30
⑧野中選手(大阪ガス)13’43″92
上位を外国人選手が占める中で、倉田選手、野中選手が13分43秒台でPB更新。
女子
★1500m
①田中選手(豊田自動織機TC)4’08″68
②エカラレ選手(豊田自動織機)4’10″00
③陣内選手(九電工)4’21″01
④石澤選手(エディオン)4’21″93
⑤廣中選手(日本郵政グループ)4’22″97
田中選手がシーズン初戦でいきなり日本記録(4’07″87)に迫る好記録をマーク。その後、7.8深川大会の3000m、8.23ゴールデンGP東京の1500mでともに日本新記録を樹立!
また、3000mSCの石澤選手、10000mで東京五輪代表内定の廣中選手も出走。
★3000m
①佐藤選手(積水化学)9’05″75
②川口選手(豊田自動織機)9’07″77
③大西選手(日本郵政グループ)9’09″30
佐藤選手がPBを約10秒更新。その後、7.8深川大会の5000mでもPB更新。
★5000m
①宮田選手(九電工)15’34″22
②前田選手(天満屋)15’35″21
③平井選手(肥後銀行)15’55″77
すでにマラソンで東京五輪代表内定していた前田選手がPBを約4秒更新。その後、7.8深川大会の10000mでもPB更新。
第2戦 7.8(水) 深川大会(深川市陸上競技場)
男子
★5000m
①キメリ選手(富士通)13’16″61
②ディク選手(日立物流)13’17″98
③キムニャン選手(日立物流)13’18″76
:
⑦松枝選手(富士通)13’26″25
浦野選手(富士通)13’36″13
湊谷選手(横浜DeNA)13’36″22
田澤選手(駒大2)13’37″28
茂木選手(旭化成)13’37″38
浅岡選手(日立物流)13’38″05
吉居選手(中大1)13’38″79
見どころたっぷりのレースは松枝選手が日本人トップでPB更新。その後の7.18千歳大会でさらに更新。また、大学生の田澤選手、吉居選手も好記録でPB更新。その後、両選手とも12月の日本選手権で激走。
★10000m
①コエチ選手(九電工)27’14″84
②カロキ選手(トヨタ自動車)27’15″97
③カンディエ選手(MHPS)27’51″19
④伊藤選手(Honda)27’58″43
:
⑥西山選手(トヨタ自動車)28’22″64
⑦鈴木健選手(富士通)28’23″89
⑧藤木選手(國學大3)28’24″79
10000m東京五輪代表内定の伊藤選手が初の28分切りをマークしてPB更新。また、マラソン日本記録保持者となった鈴木選手はPB更新。その後の7.18千歳大会、27分台でPB更新。
藤木選手もPB更新で、この時点での國學院大学新記録をマーク。その後11月の八王子ロングディスタンスで後輩の中西大選手が大学記録を更新するも、先日の関東インカレで再び藤木選手が大学記録を奪還しました。
【深川大会】田澤選手オンラインインタビュー中🧑🏻💻
一方で男子10000mBの選手が入場。丁度BGMが切れ、風で木が騒めく音が響きます…#嵐の前の静けさ #ホクレン #ホクレンディスタンスチャレンジ #ホクレンDC pic.twitter.com/EOons1eSeg— ホクレン・ディスタンスチャレンジ2021 (@hokurendc) July 8, 2020
※出典:「ホクレン・ディスタンスチャレンジ2021」Twitterより
女子
★3000m
①田中選手(豊田自動織機TC)8’41″35 日本新記録 🎉
②エカラレ選手(豊田自動織機)8’43″33
③萩谷選手(エディオン)8’48″12
田中選手が福士選手(ワコール)が持つ8’44″40の日本記録を18年ぶりに更新! また、萩谷選手も8分50秒を切る好記録をマーク。その後の7.15網走大会で5000mPB更新。
★3000mSC
①吉村選手(大東大2)9’53″50
②石澤選手(エディオン)10’03″29
③藪田選手(大塚選手)10’06″83
吉村選手がシーズン初戦から9分50秒台をマーク。
★5000m
①ワンジル選手(スターツ)15’03″49
②佐藤選手(積水化学)15’26″66
③川口選手(豊田自動織機)15’32″29
佐藤選手、川口選手がPB更新。
★10000m
①前田選手(天満屋)31’34″94
②一山選手(ワコール)32’03″65
③安藤選手(ワコール)32’15″38
10000m東京五輪代表内定の安藤選手とマラソン代表内定の前田選手(PB更新)、一山選手の3名が上位を独占。
第3戦 7.15(水) 網走大会(網走市営陸上競技場)
男子
★5000m
①コエチ選手(九電工)13’11″77
②Y.ヴィンセント選手(東国大2)13’20″39
③長谷川選手(カネボウ)13’28″30
:
浦野選手(富士通)13’37″28
田中選手(トヨタ自動車)13’37″83
吉田選手(青学大4)13’37″96
市川選手(日立物流)13’38″36
木津選手(カネボウ)13’39″52
Y.ヴィンセント選手が日本学生記録に迫る記録でPB更新。長谷川選手は13分30秒切りでPB更新。吉田選手は青山学院大学記録更新のPB更新。
★10000m
①ディク選手(日立物流)27’23″47
②ムティソ選手(NDソフト)27’44″37
③キムニャン選手(日立物流)27’49″35
④服部勇選手(トヨタ自動車)27’56″32
⑤オムワンバ選手(MHPS)28’02″29
⑥ムルア選手(山学大2)28’08″10
⑦丸山選手(八千代工業)28’10″59
⑧延藤選手(マツダ)28’12″37
河合選手(トーエネック)28’13″04
村山紘選手(旭化成)28’13″84
倉田選手(GMOインタネットグループ)28’16″93
湊谷選手(横浜DeNA)28’18″14
井上選手(MHPS)28’19″13
中山選手(Honda)28’19″44
好記録が続出した10000mでは、マラソン東京五輪代表内定の服部勇選手が、自身初の27分台でPB更新。
【#網走大会】
拍手で応援する観客の皆様、ご協力ありがとうございます👏競技会再開、一歩前に進むことができました👟#ホクレンディスタンスチャレンジ #ホクレンDC
ライブ配信🧑🏻💻https://t.co/B8bajfATtg pic.twitter.com/xFxemOLTCk
— ホクレン・ディスタンスチャレンジ2021 (@hokurendc) July 15, 2020
※出典:「ホクレン・ディスタンスチャレンジ2021」Twitterより
女子
★1500m
①卜部選手(積水化学)4’14″94
②高松選手(名城大3)4’18″87
③陣内選手(九電工)4’19″84
④新谷選手(積水化学)4’20″14
2019年日本選手権覇者の卜部選手がトップ。新谷選手が1500mに登場。
★3000m
①シンシア選手(神村学園高3)8’56″05
②フーサン選手(デンソー)9’12″60
③兼友選手(京セラ)9’14″41
★5000m
①田中選手(豊田自動織機TC)15’02″62
②エカラレ選手(豊田自動織機)15’03″09
③ジョアン選手(九電工)15’04″32
④萩谷選手(エディオン)15’05″78
田中選手は惜しくもPB更新ならずも好記録をマーク。その後、12月の日本選手権で5000m東京五輪代表内定。萩谷選手も好記録でPB更新。
★10000m
①ワンジル選手(スターツ)30’38″18
②一山選手(ワコール)31’23″30
③佐藤選手(積水化学)32’05″31
④小林選手(名城大2)32’08″67
⑤安藤選手(ワコール)32’12″24
一山選手がPBを約10秒更新する好記録をマーク。
第4戦 7.18(土) 千歳大会(千歳市青葉陸上競技場)
男子
★1500m
①ソゲット選手(Honda)3’40″86
②荒井選手(Honda)3’41″03
③阪口選手(SGHグループ)3’43″53
★3000mSC
①三浦選手(順大1)8’19″37 U20日本最高記録 🎉
②キプラガット選手(愛三工業)8’19″60
③山口選手(愛三工業)8’25″04
④青木選手(Honda)8’25″85
三浦選手が日本歴代2位、日本学生新記録、U20日本新記録をマーク! 山口選手、青木選手も8分25秒台の大幅なPB更新。
★5000m
①タイタス選手(埼玉医科大G)13’17″40
②遠藤選手(住友電工)13’18″99
③ウェズレイ選手(SUBARU)13’21″22
:
⑤松枝選手(富士通)13’24″29
⑥吉居選手(中大1)13’28″31 U20日本最高記録 🎉
:
⑧伊藤選手(Honda)13’33″97
延藤選手(マツダ)13’35″44
高田選手(住友電工)13’36″55
石田選手(東京農大二高3)13’36″89 日本高校新記録 🎉
河合選手(トーエネック)13’37″37
小山選手(Honda)13’38″81
中谷選手(早大3)13’39″21
塩尻選手(富士通)13’39″79
遠藤選手が日本歴代7位(当時)の記録でPB更新。吉居選手は当時のU20日本新記録をマーク。その後の日本選手権でさらに更新。さらに、石田選手が高校新記録をマーク。その後の東海大長距離競技会でさらに更新。中谷選手もPB更新。
★10000m
①R.ヴィンセント選手(国士大3)27’39″80
②ディラング選手(愛知製鋼)27’41″30
③鈴木健選手(富士通)27’57″84
④鈴木洋選手(愛三工業)28’11″20
⑤鈴木塁選手(SGHグループ)28’13″12
⑥湯澤選手(SGHグループ)28’19″05
7.8深川大会でPB更新した鈴木健選手が、自身初の27分台でさらにPB更新。
女子
★3000m
①田中選手(豊田自動織機TC)8’51″49
②ジョアン選手(九電工)8’57″20
③ウイニー選手(九電工)8’57″86
:
⑤三原選手(立命館宇治高3)9’02″86
7.8深川大会で日本記録を更新した田中選手は、ホクレン全4戦とも出走種目トップ。
★5000m
①一山選手(ワコール)15’06″66
②シンシア選手(神村学園高3)15’07″13
③フーサン選手(デンソー)15’13″44
④矢田選手(デンソー)15’19″67
一山選手がホクレン最終戦で15分1桁の大幅なPB更新。矢田選手も15分20秒切りのPB更新。
■2020年 日本ランキングトップ10 (ホクレンで樹立の記録)
男子
★1500m
②荒井選手(Honda)3’41″03 7.18 千歳
—–
⑪阪口選手(SGHグループ)3’43″53 7.18 千歳
★3000m
①遠藤選手(住友電工)7’49″90 7.4 士別
②竹内選手(トーエネック)7’53″09 7.4 士別
④中西選手(トーエネック)7’58″08 7.4 士別
⑤河合選手(トーエネック)7’58″67 7.4 士別
⑧鬼塚選手(横浜DeNA)8’01″78 7.4 士別
★5000m
②遠藤選手(住友電工)13’18″99 7.18 千歳
③松枝選手(富士通)13’24″29 7.18 千歳
⑥長谷川選手(カネボウ)13’28″30 7.15 網走
—–
⑪伊藤選手(Honda)13’33″97 7.18 千歳
★10000m
該当なし
★3000mSC
①三浦選手(順大1)8’19″37 7.18 千歳
③青木選手(Honda)8’25″85 7.18 千歳
女子
★1500m
該当なし
★3000m
①田中選手(豊田自動織機TC)8’41”35 7.8 深川
②萩谷選手(エディオン)8’48″12 7.8 深川
④三原選手(立命館宇治高3)9’02″86 7.18 千歳
⑦佐藤選手(積水化学)9’05″75 7.4 士別
⑧兼友選手(京セラ)9’06″08 7.18 千歳
⑨卜部選手(積水化学)9’06″18 7.18 千歳
★5000m
③田中選手(豊田自動織機TC)15’02″62 7.15 網走
④萩谷選手(エディオン)15’05″78 7.15 網走
⑤一山選手(ワコール)15’06″66 7.18 千歳
⑦矢田選手(デンソー)15’19″67 7.18 千歳
★10000m
⑥前田選手(天満屋)31’34″94 7.8 深川
★3000mSC
該当なし
以上、昨年の4大会を振り返ってみました。
日本新記録、U20日本最高記録、日本学生新記録、日本高校新記録が誕生しましたし、好記録も多くて、今振り返ってみると、昨年のホクレンは、その後の盛り上がりの序章だったように思います。
今年のホクレン・チャレンジディスタンスも無事に開催されることを願って、この記事は終了いたします。
ありがとうございました。
※本記事は、焼き直し等ではなく今回新規に作成いたしました。