東京五輪参加標準記録の種目別突破状況(判明分)
※マラソン、競歩を除く
以前より、東京五輪代表争いについての記事を投稿しておりますが、参加標準記録突破者がTN(ターゲットナンバー)に達した場合、「参加標準記録突破」以外に代表内定となる可能性は極めて低くなります* (男子10000mはすでにTNに達していますので、標準記録突破が必須条件)。
*ファイナルエントリー後にWAから追加による出場資格が認められた競技者は選考対象
日本の代表選考基準の最優先項目は、「日本選手権3位以内入賞、かつ参加標準記録を満たした競技者」となっています。
よって、すでに参加標準記録を突破している選手は、「日本選手権3位以内入賞」が当面の目標になります(女子5000mは、日本選手権3位以内入賞者のうち、すでに代表に内定している田中選手を除く上位2名以内)。6.13修正
トラック&フィールド種目 日本代表選手選考要項
※リンク先:日本陸上競技連盟のHP
そこで、間もなく発表される「ワールドランキング」と一度切り離して、種目別に参加標準記録の突破状況を見てみたいと思います。
東京五輪参加標準記録の種目別突破状況 (2021.5.26 AM判明分)
男子
種目 | 標準記録 | TN | 突破者 | 突破率 | 日本 |
100m | 10”05 | 56 | 37 | 66.1% | 3名 |
200m | 20″24 | 56 | 29 | 51.8% | 2名 |
400m | 44″90 | 48 | 17 | 35.4% | |
800m | 1’45″20 | 48 | 26 | 54.2% | |
1500m | 3’35″00 | 45 | 33 | 73.3% | |
5000m | 13’13″50 | 42 | 26 | 61.9% | |
10000m | 27’28″00 | 27 | 27 | 100.0% | 2名 内定 |
110mH | 13″32 | 40 | 21 | 52.5% | 3名 |
400mH | 48″90 | 40 | 18 | 45.0% | 4名 |
3000mSC | 8’22″00 | 45 | 28 | 62.2% | 1名 |
走高跳 | 2m33 | 32 | 15 | 46.9% | |
棒高跳 | 5m80 | 32 | 21 | 65.6% | |
走幅跳 | 8m22 | 32 | 23 | 71.9% | 3名 |
三段跳 | 17m14 | 32 | 21 | 65.6% | |
砲丸投 | 21m10 | 32 | 27 | 84.4% | |
円盤投 | 66m00 | 32 | 23 | 71.9% | |
ハンマー投 | 77m50 | 32 | 21 | 65.6% | |
やり投 | 85m00 | 32 | 21 | 65.6% | |
十種競技 | 8350点 | 24 | 15 | 62.5% |
※TN=ターゲットナンバー(上限人数)
※突破率の緑数字は70%未満、赤数字は80%以上
※WA発表分に110mH泉谷選手の記録(13″30_5.20)が反映されていませんが、日本陸連HPにも「参加標準記録突破者」として掲載されていますので、上記数字に含みました。
重複しますが、10000mはすでに100%となりましたので、代表内定の残り1枠は参加標準記録突破が必須条件となります。他の種目と違って10000mは予選が組まれず一発決勝のため、TN=27と狭き門になっていることが要因です。
他では砲丸投げで80%を超えていますが、その他の種目では400mの35.4%を筆頭に、まだ参加標準記録突破者が少ない種目が散見されます。
※突破者が少ない種目では参加標準記録突破が難しくても、競技会で好記録をマークして上位に入りパフォーマンススコアを伸ばしておくことが、出場資格を得るためには重要です(詳細は近日投稿する予定の「ワールドランキング」をご参照ください)。
女子
種目 | 標準記録 | TN | 突破者 | 突破率 | 日本の 突破数 |
100m | 11″15 | 56 | 32 | 57.1% | |
200m | 22″80 | 56 | 33 | 58.9% | |
400m | 51″35 | 48 | 35 | 72.9% | |
800m | 1’59″50 | 48 | 24 | 50.0% | |
1500m | 4’04″20 | 45 | 25 | 55.6% | |
5000m | 15’10″00 | 42 | 36 | 85.7% | 3名 内1名 内定 |
10000m | 31’25″00 | 27 | 29 | 107.4% | 3名 内定 |
100mH | 12″84 | 40 | 26 | 65.0% | |
400mH | 55″40 | 40 | 26 | 65.0% | |
3000mSC | 9’30″00 | 45 | 19 | 42.2% | |
走高跳 | 1m96 | 32 | 22 | 68.8% | |
棒高跳 | 4m70 | 32 | 25 | 78.1% | |
走幅跳 | 6m82 | 32 | 23 | 71.9% | |
三段跳 | 14m32 | 32 | 27 | 84.4% | |
砲丸投 | 18m50 | 32 | 22 | 68.8% | |
円盤投 | 63m50 | 32 | 21 | 65.6% | |
ハンマー投 | 72m50 | 32 | 23 | 71.9% | |
やり投 | 64m00 | 32 | 14 | 43.8% | 1名 |
七種競技 | 6420点 | 24 | 9 | 37.5% |
※TN=ターゲットナンバー(エントリー上限人数)
※突破率の緑数字は70%未満、赤数字は80%以上
すでに代表内定が3名の10000mは参加標準記録突破者が100%を超えています。また、代表内定を含む突破者が3名いる5000m、三段跳で突破率80%以上となっています。
一方で男子同様に、まだ参加標準記録突破者が少ない種目が多いので、これらの種目では競技会で好記録をマークして上位に入り、パフォーマンススコアを伸ばす(ランクアップする)ことも、ワールドランクにより出場資格を得るためには重要です。
リレー
種目 | 標準記録 | TN | 出場権 | 決定率 | 日本 |
男子 4×100mR | – | 16 | 12 | 75.0% | ○ |
男子 4×400mR | – | 16 | 12 | 75.0% | ○ |
女子 4×100mR | – | 16 | 14 | 87.5% | ○ |
女子 4×400mR | – | 16 | 12 | 75.0% | |
混合 4×400mR | – | 16 | 13 | 81.3% |
※TN=ターゲットナンバー(上限人数)
※突破率の緑数字は70%未満、赤数字は80%以上
ご参考まで、リレー各種目の出場権決定状況は以下の通りです。
現在、女子4×400mRは残り4枠に対して9番目の記録、混合4×400mRは残り3枠に対して9番目の記録となっています。
女子4×400mR。混合4×400mRにつきましては、6.29までに2カ国以上が出場する競技会(WA承認)で、残り枠に入る記録を出すことが出場権獲得の必要条件です。
日本の東京五輪参加標準記録突破者 (2021.5.26 AM現在)
※順位は各国最大3名以内の記録順
※赤文字は代表内定、出場権獲得
男子
★100m
⑭サニブラウン選手 9″97 +0.8
⑰小池選手 9″98 +0.5
㉒桐生選手 10″01 +1.7
★200m
⑭サニブラウン選手 20″08 +0.8
㉘小池選手 20″24 +0.9
★10000m (2名代表内定)
⑰相澤選手 27’18″75 内定
㉕伊藤選手 27’25″73 内定
★110mH
⑧金井選手 13″16 +1.7
⑭高山選手 13″25 +1.1
⑱泉谷選手 13″30 +0.8
(現在のWA発表分で13″30は記録順で18番目タイ)
★400mH
⑫黒川選手 48″68
⑮安部選手 48″80
⑰山内選手 48″84
– 豊田選手 48″87
★3000mSC
⑱三浦選手 8’17″46
★走幅跳
④城山選手 8m40 +1.5
⑩橋岡選手 8m32+1.6
⑳津波選手 8m23 +0.6
★4×100mR (出場権)
③日本
★4×400mR (出場権)
⑩日本
女子
★5000m (1名代表内定)
㉔田中選手 内定
㉛廣中選手
㉝新谷選手
★10000m (3名代表内定)
④新谷選手 内定
㉒一山選手 (マラソン代表内定済み)
㉓廣中選手 内定
– 安藤選手 内定
★やり投
⑧北口選手
★4×100mR (出場権)
⑪日本
以上、現時点での東京五輪参加標準記録の種目別突破状況についてまとめてみました。