ワールドランキング制度
2019年 国際陸上競技連盟(現World Athletics)はワールドランキング制度を導入
2020年 ワールドランキングを東京五輪の参加資格要件とすることを発表
ワールドランキング制度導入の目的
- あらゆるステークホルダー(スポンサー、メディア、ファン、選手等)に対して、わかりやすく魅力ある陸上を提供
- 選手のパフォーマンスの明確な一定基準で相対値の算出
- 大会のヒエラルキー(階層/カテゴリー)の明確化
- エリア(アジア、ヨーロッパ、アフリカ等)で実施されている大会の価値の向上
- 記録の信ぴょう性の担保→ 1回限りの懐疑性のある記録だけで参加(東京五輪)を防ぐことは可能
ランキングの考え方の変化
従来のランキングの変え方は「記録」の良い方からの順位
→「ポイント+スコア」によるパフォーマンススコアの高い方からの順位
出典:日本陸連「IAAFワールドランキング概要」より
パフォーマンススコア
- Result Score(記録スコア):混成競技同様、「IAAF Scoring Tables(点数表)」をもとにポイント化
- Placing Score(順位スコア):Track&Field種目、混成競技、ロード種目別に設定
出典:日本陸連「IAAFワールドランキング概要」より
※2021.5.8追記
一例として、上記の通りトラック&フィールド種目の「カテゴリー別Placing Score」を挙げましたが、正確には「5000m、10000m、3000mSCは除く」となります。
また、マラソン、ロードレース、競歩は別途定められています。
・5000mと3000mSCの「カテゴリー別Placing Score」
順 | A | B | C | F | |
① | 100 | 70 | 50 | ・・ | 12 |
② | 90 | 60 | 40 | ・・ | 7 |
③ | 80 | 50 | 35 | ・・ | 4 |
④ | 70 | 45 | 30 | ・・ | – |
⑤ | 60 | 40 | 26 | ・・ | – |
⑥ | 50 | 35 | 23 | ・・ | – |
⑦ | 45 | 30 | 20 | ・・ | – |
⑧ | 40 | 25 | 18 | ・・ | – |
・10000mの「カテゴリー別Placing Score」
順 | A | B | C | F | |
① | 80 | 60 | 45 | ・・ | 10 |
② | 70 | 50 | 38 | ・・ | 6 |
③ | 60 | 45 | 32 | ・・ | 3 |
④ | 50 | 40 | 26 | ・・ | – |
⑤ | 45 | 35 | 22 | ・・ | – |
⑥ | 40 | 30 | 19 | ・・ | – |
⑦ | 35 | 25 | 17 | ・・ | – |
⑧ | 30 | 20 | 15 | ・・ | – |
※2021.6.10追記
・混成競技の「カテゴリー別Placing Score」
順 | GL | A | B | F | |
① | 110 | 80 | 60 | ・・ | 10 |
② | 90 | 70 | 50 | ・・ | 6 |
③ | 75 | 60 | 45 | ・・ | 3 |
④ | 65 | 50 | 40 | ・・ | – |
⑤ | 55 | 45 | 35 | ・・ | – |
⑥ | 50 | 40 | 30 | ・・ | – |
⑦ | 45 | 35 | 25 | ・・ | – |
⑧ | 40 | 30 | 20 | ・・ | – |
⑨ | 30 | ||||
⑩ | 25 | ||||
⑪ | 20 | ||||
⑫ | 15 |
Result Score(記録スコア)の追記
■Wind Reading(風による補正・ランキングでは逆風も考慮)
100m、200m、100mH、110mH、走幅跳、三段跳で適用
出典:日本陸連「IAAFワールドランキング概要」より
Event Group
ワールドランキングは種目別に順位付けされていますが、必ずしも「その種目だけの成績」とは限りません。例えば【100m】は類似種目として、50m、55m、60mの成績も含むことができます。日本選手権室内陸上60mで好記録をマークすれば、100mのランキングがアップすることが可能です。長距離種目は次の通りです。
- 5000m…3000m、2マイル
- 10000m…ハーフマラソン、クロスカントリー
- 3000mSC…2000mSC
- ロードレース…ハーフマラソンは元々「ハーフマラソン-10km」のEvent Groupで、ほかに15km、10マイル、20km
- マラソン…ハーフマラソン、25km、30km
- 20km競歩…5km、10km、15km、20km、5000m、10000m、15000m、20000m
- 35km/50km競歩…20km、30km、20000m、30000m、50000m、35km/50km
出典:日本陸連「IAAFワールドランキング概要」より
必要パフォーマンス数
制度導入の目的のひとつである「記録の信ぴょう性の担保」について、最低必要パフォーマンス数を定義しています。数は種目によって異なります。(2021.8.10より50km競歩→35km競歩に変更されました)
出典:日本陸連「IAAFワールドランキング概要」より
ランキング期間について
★有効期間の変更(2021.8.10より)
東京五輪終了後の「2021.8.10付」のランキングより「有効期間の変更」となりました。
・ランキング日付以前の12カ月間:上記以外の種目
※すべての種目で2020.4.6-2020.11.30の成績は、ランキング対象外期間のため含まれていません。
※2019年世界陸上(ドーハ)および2021年五輪(東京)は、いずれか1回のみの成績が含まれます。
※ランキング日付以前、3年前の1.1以降に開催されたアジア選手権の成績が含まれます。
参考)旧ランキング期間について(2021.6.29をもって終了分)
1.2021年8月12日以前に発表される、「10000mを除くTrack&Field種目」すべてのランキング期間は次の通りです。
<2019.6.30以降>
(2020.4.6 – 2020.11.30の期間は対象外)
2.2021年8月12日以前に発表される、「10000m」及び「混成」、「ロードランニングG[ハーフマラソン-10km(15km-10M-20km)]」、「20km競歩G(10km-15km)」のランキング期間は次の通りです。
<2019.1.1以降>
(2020.4.6 – 2020.11.30の期間は対象外)
3.2021年8月12日以前に発表される、「マラソンG(ハーフマラソン-25km-30km)」、「50km競歩G(20km-30km-35km)」
<2018.12.1以降>
<参考>ランキング期間に関するルール説明
1. Basics of the Rankings (worldathletics.org)
リンク先:World Athletics 「Ranking Rules」
参考)東京五輪参加標準記録の有効期間(2021.6.29をもって終了分)
最後に、東京五輪参加標準記録の有効期間については、当初2020年東京五輪開催を前提に設定されていましたが、コロナ禍による五輪開催延期および競技会が中止や延期が相次いだため、公平性を保つため「2020.4.6-2020.11.30」までを除外期間とすることが発表されました。
・Track&Field種目
2019.5.1-2020.4.5 / 2020.12.1-2021.6.29
・10000m、混成競技
2019.1.1-2020.4.5 / 2020.12.1-2021.6.29
・20km競歩
2019.1.1-2020.4.5 / 2020.9.1-2021.6.29
・マラソン、50km競歩
2019.1.1-2020.4.5 / 2020.9.1-2021.5.31
最新のワールドランキング
ワールドランキング
<WORLD ATHLETICS公式サイトより>
※概ね毎週更新されています。
■「ワールドランキング」につきましては、こちらのサイトもご参照ください。
★日本陸上競技連盟公式サイト
https://www.jaaf.or.jp/athletes/world-ranking/
https://www.jaaf.or.jp/pdf/athletes/world-ranking/IAAF-point-ranking.pdf★WORLD ATHLETICS公式サイト
https://www.worldathletics.org/athletes-home
最後までありがとうございました。